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2021-08-30

改めて確認したい「休日」について

こんにちは。齊藤マネージメントサービス 代表の齊藤です。
休日についても、良くご質問を頂く内容の一つです。休日には法定休日と所定休日がありますが、両者を正しく理解していない例も少なくありません。
今日は休日について考えてみたいと思います。

1.休日の定義
 休日とは、労働契約上、労働の義務が無い日のことです。つまり、その日に休んでも欠勤にはならないという日になります。会社が従業員に与えなければいけない休日は、少なくとも1週間に1日となっています(労働基準法(以下、労基法)35条1項)。別な言い方をすれば、1週間に1日の休日を与えれば違法とはなりません。
また、休日は日曜日、祝日である必要はなく、週のどこにするのかも法律で決まっているわけではありません。これを上回って与えられる休日は、それぞれの会社で任意に与えている休日で、多くは就業規則等に定められます。

2.法定休日と所定休日の違い
 休日には、法定休日と所定休日があります。
法定休日は、従業員に与えなければいけない休日、つまり上記で述べた労基法の休日のことをいいます。
 これに対して、所定休日は、法定休日以外に会社が任意で与えている休日のことをいいます。
多くの企業で、週休2日制が採用されていますが、法定休日は1日になりますので、残りの休日は所定休日と考えることができます。

法定休日と所定休日の違いは、休日に出勤したときの割増賃金の割増率です。
法定休日に出勤した場合は、割増率は1.35倍になります。
所定休日に出勤した場合は、その労働が時間外労働(週40時間を超えた時間の労働)にあたる場合は、1.25倍で足りることになります。
週休2日制の場合、同じ休日労働でも、法定休日か所定休日かで扱いが異なり、同じ時間働いても賃金額が変わります。

3.法定休日を特定するべきか
 週休2日制の場合で単に土曜日、日曜日を休日と定めただけの場合、どちらの日が法定休日になるかわかりません。このため、就業規則で法定休日の曜日を決めている会社もあります。法定休日は日曜日としている様な場合です。
 しかし、法定休日の曜日を決めなくても、結果的に1週間に1日の休日があれば違法とはなりませんので、就業規則に法定休日と所定休日の区別を記載していないケースもよく見かけます。
 その点について、法定休日が特定されていない場合には、暦週の後に来る休日を法定休日とする見解が行政当局から出されています。特に就業規則に定めがなければ、一般に「暦週」というと日曜日から土曜日までを指します
土曜日に休み日曜日に労働した場合は土曜日が法定休日となり、土曜日に労働し日曜日に休んだ場合は日曜日が法定休日となります。

 それでは、土曜日と日曜日が休日と定められていた場合で月曜日から日曜日まで全ての日において1日8時間労働した場合はどうなるでしょうか。
問題は土曜日と日曜日の取り扱いです。週の後に来る日曜日が法定休日となりますので休日労働となり、土曜日は週40時間を超えているので時間外労働となります(なお、この場合は、会社が従業員に与えなければいけない休日が少なくとも1週間に1日となっていますので、その点では問題がありますが)。

本日は休日について考察させて頂きました。
法定休日を特定するかしないかは、会社の判断に任せられていますが、法定休日を特定した方が割増賃金の計算の際などに対応しやすいと思われますし、トラブルに備えることもできます。
お困りのことがございましたら、弊事務所までお気軽にご連絡ください。

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