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2021-10-21

改めて確認したい「労務管理」について

こんにちは。齊藤マネージメントサービス 代表の齊藤です。
年内最後のメールマガジンとなりますが、今回は少し違った側面から記載をさせて頂きます。

1.第1問
以下の数字は何を表しているのでしょうか
1,290,782件

 こちらは、令和2年度に全国の労働基準監督署に寄せられた総合労働相談の件数になります。総合労働相談とは、都道府県労働局、各労働基準監督署内、駅近隣の建物など全国379か所(令和3年4月1日現在)に設けられた総合相談窓口に寄せられたあらゆる労働相談になります。
総合労働相談は引き続き年間100万件を超え、前年度比8.6%増と増加傾向にあります。

総合労働相談件数の増加の背景を私は以下の様に考えております。
①年功序列・終身雇用など「日本独自の雇用慣行」の崩壊
➁労働者の権利意識の高揚
③コロナ禍による経営環境の悪化

 日本の企業は長く家族的な経営を続けてきました。この大きな部分を占めるのが年功序列や終身雇用であり、いわゆる「日本独自の雇用慣行」です。かつては企業と従業員は持ちつ持たれつという関係が主流でした。
ただし、色々な理由はあるかとは思いますが、結論としてこれらの日本独自の雇用慣行を続けられる状況ではなくなってしまったということです。
 この様な中で企業側と従業員側の関係が徐々に変化をし、対立構造が顕在化してきました。企業側はこれまでの様に従業員をかえりみる余裕がなくなってきて、従業員側も自分を守る為に労働者としての権利を主張し始める様になったということではないでしょうか。また、インターネットをはじめとしたメディアの普及で、今では簡単に欲しい情報を手に入れられることもあり、この傾向に拍車がかかりました。
 これらに追い打ちをかけたのがコロナ禍による経営環境の悪化であり、企業側も従業員側も生きていくために背に腹は代えられないという状況と考えます。
 これらの状況を一言で言えば「長く日本の企業風土として受入れられてきた働き方そのものが問題視される時代になった」ということに尽きます。

2.第2問
では、改めまして以下の数字は何を表しているのでしょうか
12,326件

 こちらは、東京都内の労働基準監督署が実施した令和元年度に行われた定期監督等の件数になります。定期監督等とは、各種の情報、労働災害の報告などを基に、労働基準監督官が事業場に対して実施する検査のことで、労務管理や安全衛生の状況を確認し、法令違反などがあれば是正・改善を指導します。労働基準監督署に呼び出される場合と事業所に訪問する場合があり、後者の場合は事前に連絡の上、訪問してきますが、悪質な場合は一部抜打ちもあります。

12,326件の内、9,308件(全体の75.5%)で労働基準関連法令の違反が指摘され、是正勧告をうけています。なお、これらの内容および件数の内訳は以下の通りです(重複あり)。
36協定の締結および届出違反・労働時間違反 3,241件
割増賃金違反                2,385件
賃金台帳に関する違反            1,648件
就業規則の作成および届出違反        1,246件
労働条件の明示違反             1,196件
衛生管理者の未選任他管理体制違反      1,042件
健康診断の未実施              1,026件

3.労働基準監督署は何をみているのか
 ところで労働基準監督署は何を見ているのでしょうか。
目的は使用者がきちんと労働環境改善に目を向けているかどうかということと私は認識していますが、具体的には作るべき書類が作成されているかどうか届出される書類が届出されているかどうか支払われるべき賃金が支払われているかどうかということに尽きます。
 これに拍車をかけたのが、働き方改革になります。ここ数年で同一労働同一賃金など非正規雇用の処遇改善や罰則付き時間外労働の上限規制の導入、先月ご案内した年次有給休暇取得の一部義務化などを通じた長時間労働に対する是正対策がなされました。
 労働法規はどんどん厳しくなっており、また、毎年改正されるため、きちんとした理解と対策をしていないと思わぬ事で足をすくわれかねません。企業経営において人事労務管理は決して守りという側面だけではないと考えておりますが、足元がしっかりしていなければ、前向きな人事労務施策も効果を発揮しません

弊事務所では、簡易的に「労務管理状況の見える化」をすることで課題の抽出、改善をご支援しております。多様化する働き方に対応しつつ、生産性を上げながら、経営者の皆様の「転ばぬ先の杖」​としてお役立て頂けましたらと存じます。

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