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2022-03-02

「社員雇用と雇用契約書」について 

こんにちは。齊藤マネージメントサービス 代表の齊藤です。
4月になり、新しい社員の方が入社する季節となりました。
今日は、社員雇用と雇用契約書について考えてみたいと思います。

1.雇用とは
人を雇い入れることをいいます。もう少し詳しく見てみると民法には
「当事者の一方が相手方に対して労働に従事することを約し、相手方がこれに対してその報酬を与えることを約することによって、その効力を生ずる」とあります。
簡単に言えば、従業員として働くことを約束して、使用者がそれに対して報酬を払うことを約束することとなります。ここには書面でこれを約束するとはありませんので、当事者間の合意があれば、口頭でも成立します

2.雇用契約書の意義
それでは、雇用を口頭で約束することで本当に良いのでしょうか。
人間関係においても「言った」「言っていない」論争はつきものです。
同じようなことが会社でも起きる場合があります。深刻な労働問題が起きる場合の多くは以下の様なケースです。
①雇用契約書がそもそもない
➁雇用契約書の記載内容が不十分である
③雇用契約書の記載内容が明確でない
④正社員には雇用契約書があるが、アルバイト社員には雇用契約書がない
書面がないと、証拠がそれぞれの記憶上にしかない以上、そもそもどの様な約束をしていたかを確かめる手段はありません。トラブルになった場合は不利に働きます。また、入社してから「社長! そんな話は聞いていません」とか「聞いていた内容と違うじゃないですか」と糾弾されたりします。
労働基準法では書面で通知しなければならない事項も定められていますので、これらも踏まえ雇用契約書は注意深く書く必要があります。書面にしっかり記載し、会社も社員もお互いに納得して雇用のスタートを切りましょう。

3.雇用契約書に記載しなければいけない事項と作成ポイント
雇用契約書には労働基準法で記載しなければいけない事項があります。また、記載の方法についても工夫が必要です。それらについて、私なりにこれまでの経験からポイントをお伝えさせて頂きます。

◆契約書に必ず記載しなければならない事項
労働基準法第15条第1項に「使用者は、労働契約の締結に際し、労働者に対して賃金、労働時間その他の労働条件を明示しなければならない」とあります。具体的には以下の内容になります。
①雇用契約の期間
➁就業の場所
③従事すべき業務の内容
④始業及び終業の時間
⑤所定労働時間を超える労働の有無
⑥休憩時間、休日、休暇
⑦賃金(退職金、賞与等を除く)の決定、計算、支払方法、締切日、支払日
⑧昇給に関する事項
⑨退職に関する規定(解雇の事由を含む)

パートタイム労働者に対しては、上記事項に加え、次の4つの事項についても文章の交付等で明示することが義務付けられています。
①昇給の有無
➁退職手当の有無
③賞与の有無
④雇用管理の改善に係る相談窓口(相談窓口の担当者の部署、役職、氏名)

◆雇用契約書記載に際の注意事項
①雇用契約の期間
正社員でない場合、この項目に「契約の更新」について記載します。更新についての事項がないとトラブルになる可能性があります。
但し、ここに「自動更新」と記載してはいけません。該当している場合は実質無期雇用契約と判断される可能性があります。また、該当しなくてもこの記載があると従業員側から見て雇用の継続を期待することにもつながります。

➁就業の場所
たまに「東京都〇〇区」という書き方をされている場合があります。
また、こちらは多く見受けられますが、「異動」についての記載がない場合があります。この状況で異動命令を出すと、「契約と違う。契約書には東京都〇〇区となっているので、他の事業所への異動は納得できない」とか、「異動があるという話はどこにも書いていない」とトラブルになるケースがあります。住所を明記した上で、異動がある場合は、
「東京都〇〇区〇〇 〇-〇-〇 ※異動の可能性あり」ときちんと明記しておきましょう。

③従事すべき業務の内容
こちらも記載の仕方次第ではトラブルに発展するケースがあります。
例えば、ここに「営業職」とだけ記載があったとします。この状況で他部署に異動を命じると「営業職で雇われたので他の仕事には就きたくない」と言われます。
また、「営業に関する企画書を作って欲しい」と依頼した場合に「それは営業職の仕事ではない」と言ってくる従業員もいます。こうしたトラブルはとても多いのです。できるだけ、営業職の内容を具体的に記載する必要があります。
もちろん、未来に渡って職務内容を全て網羅することはできません。異動についても就業規則に、職種変更、配置転換、転勤の条項があれば、異動が可能であることは実際にわかっていますが、やはりトラブルになって、第三者が入ってくると議論の対象になります。
「〇〇〇〇に関する個人への販売業務およびそれに付随する事項 ※異動の可能性あり
という具体的な記載内容とそれには付随業務も含まれること、併せて異動の可能性があるということを明記しておくだけでもトラブルにはなりにくいものです。

④賃金
次に賃金です。ごくまれにですが、時給制で最低賃金を下回る金額を記載している事例が見受けられます。ご存じの通り、国は支払わなければならない賃金の最低額について定めをしており、その額以上の賃金を支払わなければならないことが法で定められています。この最低賃金額は毎年変わりますので、支払っている賃金が最低賃金額未満になっていないかを確認することが必要です。

次に「日給」で支払額を定めているケースがあります。「日給」という概念は非常に曖昧です。何時間の労働に対して、いくら払うかが明らかではないからです。
試しに求人広告を見てみましたが、やはり「日給〇〇円」という表示が散見されました。
日給については昔からトラブルが多いので、何時間の労働に対していくらなのか、時給を明確にすべきと考えます

次に最近トラブルが多い「みなし残業代」について簡単に記載します。
これについては、この項目だけで1冊本が書けるくらいのボリュームがありますので、次回のメールマガジンに詳細は譲ることとし、今日は簡単に注意点のみ記載します。
よくあるケースとして、「基本給の中に残業代も含まれている」「営業手当が残業代に該当する」という話があります。上記が問題ないためには、基本給の中に残業代が含まれていること、または営業手当が残業代であることが明確に記載されていることその残業代が何時間分に該当するのかが記載されていること残業代で定めた時間を超える場合には別途割増賃金を支払うことが記載されている必要があります。

本日は、社員雇用と雇用契約書について、考察させて頂きました。トラブルが多い部分でもありますので、これを機会に今一度の見直しを頂いてはいかがでしょうか。最後までお読み頂き、ありがとうございました。

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